
大きくなりすぎたセロームの対処法&基本的な育て方をご紹介
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ランダムな切れ込みのある葉と、根上がり樹形が野生的なセローム。育てやすいため、人気のある品種です。しかし、こんなお悩みもよく耳にします。




適した時期に作業をすれば、生育に支障はでませんよ!
セロームは枝を落としながら、上へ上へと幹を伸ばしていく習性があります。枝はやわらかくしなりやすかったり、葉も大きいので、スペースが限られた場所では管理に困る方も多くいらっしゃいます。
この記事では、大きくなりすぎたセロームの仕立て方と、基本的な育て方をご紹介します。
目次
大きくなりすぎたセロームは「挿し木」で解決!
伸びた幹を切り、葉の数も最低限にすることで、木をコンパクトに仕立てることができます。
作業は5〜9月の成育期に行おう
〜作業方法〜
- 幹をカッター(もしくはナイフ)で切る
気根がでている場合は、気根の5cm下あたりで切る - 切り口をしっかり乾かす。古い葉を1~2枚残し、他は全て切り落とす
- 通常の植え替えと同じ容量で鉢に植える
気根もいっしょに植える場合は、気根の先を丸めるようにして、土の中に埋める - 活着するまでは、木がぐらぐらと不安定なので、支柱を立てて固定する
※発根するまでは、鉢は5号くらいの小さめの鉢で管理しましょう
※切り口の乾燥が不十分だと、そこから雑菌が侵入し、最悪な場合枯死する可能性もあるので注意が必要です
どちらも植えた後は、風通しの良い日陰で1日様子を見てから好きな場所に設置しましょう。
挿し木は、今回のように仕立て直したい時や、根腐れを起こし不調の時などに、役立つ方法です。

では続いて、セロームの「基本情報」と「育て方」についてご紹介します。
セロームとは?
科 | サトイモ科(Araceae) |
---|---|
属 | フィロデンドロン属(Philodendron) |
原産地 | 中米・南米 |
耐寒温度 | 5℃ |
耐陰性 | あり |
育てやすさ | 育てやすい |
花言葉 | 愛の木・用心深い人 |
セロームの育て方ハウツー
セロームはどのように育てると良いのか、置き場や水やりの頻度、植え替えの時期など基本をご紹介します。注意点も記載していますのであわせてチェックしてください。
~セロームの育て方のポイント~
- 日当たりの良い場所に置く
- 定期的に葉水を行う
最適な置き場所は?
セロームは耐陰性が高く、日陰でも育つといわれていますが、基本的には日光を好むため、窓越しに日光が当たる場所に置くと良いです。ただし 直射日光を受けると葉焼けしてしまうので、レースのカーテン越しに管理するようにしましょう。
充分な日照条件であればあるだけ、葉には厚みとツヤがでて、切り込みも入ります。
栽培には風も欠かせません。自然風、もしくはサーキュレーターなどでも良いのでやわらかい風を意識してあててあげてください。
水やり頻度は?
セロームは水もちがいいので、水をやり過ぎると根腐れを起こしてしまう場合があります。
春〜夏の生育期は、土の中が十分乾いたら鉢底から出るくらいたっぷりあげましょう。 そうすることで新鮮な酸素が根に入ります。
気温が下がる秋〜冬は、水やり頻度を減らして乾燥気味にします。 土の中が乾いてから2〜3日後が目安です。乾燥した環境を作り出すことで栄養が温存され、冬の寒さに強くなるといわれています。
鉢皿にいつも水がたまっていたり土がいつも湿っていると、これも根腐れを起こし不調の原因となるため注意が必要です。

葉水で害虫を予防する
葉が大きなセロームは乾燥しやすいため、特にハダニなどの害虫に注意する必要があります。ハダニは繁殖力が高く、一度つくと厄介な虫です。そうならないためにも、冬だけでなく年中霧吹で葉水をしたり、水やりの際には葉の裏面もシャワーをかけると害虫予防に効果的です。
茂ってきたら剪定!

セロームは次々と新芽を出すので茂りやすい傾向に。茂りすぎると通気性が悪くなり、病気の原因にもなり得るので、成長の様子を見ながら、真夏日を除いた暖かい日に剪定しましょう。
また傷んでしまった葉も戻ることはないので、元から切ってしまいます。

どんな肥料がいい?
与えなくても育ちますが、葉を茂らせたりつやを出したい場合は与えましょう。真夏を避けた春〜秋に2カ月に1回の置き肥や、2週間に1回の液肥を与えるとすくすく育ちます。冬は休眠期のため与えないようにします。肥料の与えすぎは根を痛めるため、回数や時期は使用する肥料の規定を守りましょう。
植え替え時期
鉢底から根が出ていたり、水の染み込みが悪くなってきた時は植え替えが必要です。
一回り大きな鉢に植え替えましょう。
〜植え替え時期〜
真夏日を避けた、生育期である春〜夏に行います。根がびっしり固まっていたらほぐしましょう。
〜使用する土〜
土は虫が繁殖しにくい「赤玉土」、排水性に優れた「軽石」や「パーライト」、通気性にも優れた「バーミキュライト」などを配合するとよいでしょう。 観葉植物用の土を使用すると手軽です。
割りばしなどで根の隙間にも土がいきわたるようにし、植え替え後はたっぷり水を与え、風通しの良い日陰で1日様子を見てから元の場所に戻します。
〜栽培カレンダー〜

セロームが不調?原因と対処法
セロームを育成する上で、起こりうるトラブルと対処法をご紹介します。
根腐れ
下記の内容が当てはまる場合、根腐れの可能性があります。
- 水をあげてるのに元気がない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色や黄色に変色している
- 幹を触ると柔らかくぶよぶよしている
- 土の表面にカビが生えている
根は私たちと同じように呼吸をしています。土がいつも湿っていると酸素が行きわたらず細胞が死んでしまったり、土壌環境が悪くなり枯れてしまいます。
~根腐れの対処法~
土の環境を変える必要があるため、新しい土に植え替えましょう。根元から腐ってしまった場合は、茎や幹を切り取り、水挿しで発根させてみると良いです。
葉焼け
下記の内容が当てはまる場合、葉焼けの可能性があります。
- 葉の一部が茶色く枯れている
- 直射日光の当たる場所に置いている
- 暗い場所から明るい場所へ置き場所を変えた
~葉焼けの対処法~
直射日光が長時間当たらないように置き場所を変えたり、遮光します。葉焼けをした葉は元に戻らないので、葉の付け根から切りましょう。
ハダニ
下記の内容が当てはまる場合、ハダニが原因かもしれません。
- 葉にクモの巣のようなものがついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力が強く、発生すると厄介な害虫です。
~ハダニの対処法~
傷んだ葉を切ったり、葉の表と裏や茎に水をかけて洗い流します。ハダニに効果のある薬剤を使用してもよいでしょう。
薬剤を使用したくない場合は、2倍に薄めた牛乳や10倍に薄めたお酢、水に重曹を溶かしたもの、濃いコーヒーでも代用できます。
日頃から葉に霧吹きで水をかけたり、葉を拭いてきれいにしていると発生しにくくなります。
セロームの購入時に気をつけたいポイント
ポイント1 元気な株かどうか
- 幹が太く、多くの葉がついているもの
- 葉色が濃くつやのあるもの
- 葉の表裏をみて害虫の発生していないもの
ポイント2 鉢の大きさ
- 置く場所のスペースにあった大きさの鉢を選ぶ
- 成長して大きくなることを考える
- 初心者ほど大きめのものを選ぶ
セロームとクッカバラの違いを知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
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